【検証】ガソリンスタンドが近いマンションって実際どうなの?【周辺施設シリーズ】

【検証】ガソリンスタンドが近いマンションって実際どうなの?【周辺施設シリーズ】

マンション探偵のシリーズ企画「周辺施設シリーズ」今回はそこまで数はありませんが、もし近くにあったら気になる「ガソリンスタンド」が近くにあるマンションの注意点やポイントなどをわかりやすく解説します。

今回のガソリンスタンドの周辺影響については、以下について

(1)ガソリンスタンドの安全性

(2)ガソリンスタンドの匂い・洗濯物への影響

(3)ガソリンスタンドの資産価値への影響

また、本サイトでは他にも「ラブホテル」や「暴力団」など様々な周辺施設シリーズをお送りしていますので、興味のある方はこちらから「カテゴリー:周辺施設」をご覧ください。

(1)ガソリンスタンドの安全性

まず、ガソリンスタンドがマンションの周辺にあることで最も気になるのはガソリンスタンドの安全性でしょう。

早速、結論をお伝えすると「ガソリンスタンドは、消防法や建築基準法のもと、厳しい基準で建築されているため、災害時に給油所の周囲で火事が発生しても地下のガソリンタンクには引火しない構造となっている」(引用:内閣府 災害対応型給油所(減災への取組))となっており、高い安全性が確保されています。

そのため、意外かもしれませんが、ガソリンスタンドが危険ではなく、むしろ災害時にガソリンスタンドによって被害が少なくなっているのです。

実際に阪神淡路大震災ではガソリンスタンドが街区の延焼を食い止めた事例があるほどです。以下は内閣府による正式な情報となります。

「平成7年の阪神・淡路大震災において、周辺の建物が倒壊・焼失するなか、ガソリンスタンドが街区の延焼を食い止めるといった現象が数多く見られ、ガソリンスタンドの安全性の高さに注目が集まった。また、平成16年に発生した新潟県中越地震の際にも、ガソリンスタンドの被害は軽微で、地域住民のために石油製品の供給に努めた。」(引用:内閣府 災害対応型給油所(減災への取組)

もちろん、今後も絶対に安全というわけではありませんが、上記の事例から安全度は高いと言え、逆に地域の防災拠点としても位置付けられており、実際に内閣府でも「災害対応型給油所」として、石油業界団体とともに災害時に「近隣の被災者等のために飲料水等の集積地として、施設等を提供する」などを目指しています。

(2)ガソリンスタンドの匂い・洗濯物への影響

二つ目のガソリンスタンドによる影響はガソリンスタンドに行くと感じるガソリンの匂い。

もし、ガソリンスタンドがマンションの近くにあったら、そんなガソリンの匂いを感じてしまうのでは?洗濯物に匂いが移ってしまい外に干せなくなるのでは?と気になる人もいるでしょう。

まず、この匂いの原因は「気化したガソリン(がソリンベーパー)」にあるのです。

この「気化したガソリン(がソリンベーパー)」を回収する装置「ガソリンベーパー回収装置」リンク先:NEDOの該当ページというものもあります。

この装置を付けると99.2%、揮発したガソリンの回収できるという優れものです。

この装置さえあれば、匂いなどはほぼ解消されるはずです。

しかし、すべてのガソリンスタンドにまだ、取り付けられているわけではないため、気になる場合には、マンションの近くのガソリンスタンドかガソリンスタンドの本部へ問い合わせてみると良いでしょう。

また、このような回収装置が付いていないと思われるケースなどで他のサイトの口コミによると「タンクローリーがガソリンスタンドへガソリンを補給している時に匂いを感じるが、普段はあまり感じない」「ガソリンは気化するので、洗濯物には匂いは移っていない」というコメントが多くありました。

一方で、ガソリンスタンドの従業員による「いらっしゃいませー」や「ありがとうございましたー」という声が気になる。という口コミもありました。

最近では、セルフ型のガソリンスタンドが増えているため、あまりそのようなスタンド自体の数が減っていると思われますが、もし、検討しているマンションの近くがフルサービスのガソリンスタンドの場合は、留意しておいたほうが良いでしょう。

(3)ガソリンスタンドの資産価値への影響

気になるガソリンスタンドがあることによっての資産価値への影響ですが、「周囲にガソリンスタンドがある」だけでは、影響は基本的に有り得ないといい切れます。

もちろん、ミクロの観点では「中古マンションの購入を検討している相手方がガソリンスタンドが近くになることを気にしている」ということで値引き交渉になるかもしれませんが、広い視点で見た場合、ガソリンスタンドが近くにあるだけでは価値は変わりません。

これは、ガソリンスタンドが近い場所と少し離れた場所の路線価を見比べてみればわかります。

問題は「もともと、その土地がガソリンスタンドの跡地であった場合」です。

この場合、土壌汚染などが心配される可能性があります。

不動産取引時には、特定有害物質に指定されているベンゼンや有鉛ハイオクガソリンやバッテリー液などに含まれる鉛が対象になっていることから、不動産取引時には土壌汚染調査結果の提示が必須になっています。

また、法で定める特定有害物質ではないものの、油についても油膜や油臭が問題視されることが多いとされ、環境省から「油汚染対策ガイドライン」という参考書が出されており、油汚染に関する調査方法や、対策手法が記載されていますほどです。(出展:株式会社タツノ 土壌汚染調査より)

これらのことから、「もともと、その土地がガソリンスタンドの跡地であった場合」には価値が減価する可能性があると言えます。

最後に

ガソリンスタンドが近いマンションの検証はいかがでしたでしょうか?

特にガソリンスタンドは安全性が高く、阪神淡路大震災において延焼を食い止めたという例は、ご存知なかった方も多いのではないでしょうか。

実際に内閣府のホームページにも「危険物を扱うガソリンスタンドを「危険なところ」と思いこんでいる人々も多いと思われるが、そうではなく、施設の安全性が高く、災害時において地域の安全・安心の拠点となり得ることを理解してもらい、「街かどの安全・安心ステーション」となることを目指して、加盟各社それぞれが工夫して取り組んでいる。」と記載されており、多くの方が危険なところと思い込んでいるようです。(引用:内閣府HP

また、本サイトでは他にも「ラブホテル」や「暴力団」など様々な周辺施設シリーズをお送りしていますので、興味のある方はこちらから「カテゴリー:周辺施設」をご覧ください。